はじめに

ネットの普及に伴って,メールでの交流がいまや当たり前の時代となりました。昔は,海外の人とやりとりをしようと思ったら,手紙を書いて,英語で住所を書いて切手を貼らなくてはいけませんでした。しかも配達にもかなり時間を要しました。そのため海外は本当に遠い存在に感じていた人がほとんどではないでしょうか。それがメールの登場によって,タイムラグなくライブで海外の人たちと交流ができる世の中になったのです。つまり,海外の人と交流できるチャンスがそれだけ増えたということですね。

私は英語の上達は,実際のやりとりなくしてはないと思っています。語学はコミュニケーションツールのひとつですので,表現力は実践を重ねていく中でどんどん磨かれていくものなのです。英語ライティングに自信がないから,知っているフレーズが少ないから,などとしり込みしてしまっていては,いつまでも表現の幅は広がらず,世界も広がらないままです。

本書では,日常のやりとりで使われそうなフレーズを中心にたっぷりご紹介していきます。慣れるまではこの本の中から書きたいフレーズを探して,そのまま書き写すのでもOK です。まずは最低限言いたいことが伝わりさえすれば,コミュニケーションはじゅうぶんなはずです。

メールの利点は,目の前に相手がいるわけではないので,リスニング力や発音に自信がなくても,まったく気にせずにやりとりができる点です。メールを作るのにいくら時間をかけてもいいわけですし,対面して会話するよりはハードルはぐっと下がります。

「少し慣れてきたかな?」と思ったら,今度はこの中で紹介されているフレーズの中の単語を自分の言いたいことに置き換えて書いてみたり,言いたい情報を追加するなどして,どんどん使い回してみましょう。何度も使うことにより,よく使うフレーズなどは自然と身について,探さなくても書けるようになるはずです。繰り返し実践し,「結構表現の幅が広がったかな?」と自信がついたら,今度はTwitter やFacebook などのSNS でライブなやりとりにトライしてもいいでしょう。実際のネイティブの文章は,読むだけでもいいお手本になりますし,最新の表現方法も知ることができるのでとても勉強になるはずです。

最初のうちは,間違いなど気にしないで,どんどんメールを送ってみましょう。大切なのは,「相手と交流をしている」という事実です。そのやりとりを徐々に「楽しい!」と思えたらしめたもの。その気持ちこそが,語学力アップに必要不可欠なモチベーションとなるのです。きっとネイティブとのやりとりをどんな状況でも楽しめるようになるはずです。

この本が少しでもそんなみなさまの手助けになれば幸いです。

David.Thayne
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