※ためし読みの色は実際の書籍とは異なります。
はじめに
最近の日本と中国の人の交流の深さには、目をみはるものがありますが、そんな時に、大きく貢献しているもののひとつが「カラオケ」です。カラオケは日本が生んだ文化ではありますが、もともと、人々が集い、酒食を共に宴を開き、歌をうたう、というのは、どこの国でも広く行われてきたことです。特に、同じアジアの仲間同士、共通する文化もたくさんあるのですから、カラオケが、日中両国のコミュニケーションを豊かにするツールになるのも、当然のことだったでしょう。
最近では、日本のポピュラーソングがいくつも、中国語の歌詞を得て歌われています。日本の歌は、中国でも、すぐに、心に響くのだといいます。そして、とてもよい歌詞が工夫されています。
この本では、中国語オリジナルの歌だけでなく、最近の日本の歌や、すっかりスタンダード曲として定着した日本の流行歌まで、見事な中国語の歌詞を与えられてヒットしている曲をいくつか選んで、それぞれバランスよく選曲収録して、さまざまな世代の人が楽しく聴きながら学べるものとしました。
付録のCDでは、中国語本来の美しさが理解できるように、歌唱に際しては専門家の発音指導のもと、聞き取りやすい発声で録音し、ガイドメロディ付きの伴奏演奏も別に収録して、練習しやすく工夫されています。
楽譜例は、難しい繰り返し記号を用いず、歌詞、翻訳と合わせた番号で収録し、誰でも簡単に理解できるものとしました。そして、歌詞の翻訳では、語学学習の枠にとらわれず、詩の心が少しでも伝わるように配慮しました。
この本で、多くの方が、より豊かなコミュニケーションを得られるように願っています。
■■この本の構成と使い方■■
1この本には,中国語で歌われている人気曲9曲が収録されています。
2それぞれの曲ごとに,楽譜例,歌詞,翻訳が掲載されていますが,繰り返して歌われる詞が多いので,それぞれ,実際に歌われるフレーズの順番を,〇付数字で示して省略しました。楽譜,歌詞,翻訳それぞれに付せられている数字は共通です。
3歌う時の参考になるよう,「ワンポイントアドバイス」を,楽譜例のページに掲載しました。
4歌詞の中国語にはピンインを付けましたが,初学者のための発音の参考になるよう,ピンイン表記にとらわれない独自のカタカナも付けました。
5CDは,後半にカラオケ用の音が収録されています。歌を収録したものと同一の音源の伴奏にメロディラインを乗せて収録したものです。
6翻訳は,中国語本文とで行を一致させましたが,訳文作成にあたっては,詞のニュアンスが伝わるように補いました。
7日本語の原曲があるものは,それぞれのオリジナルの歌詞も,全文掲載しました。
1977年,活字鋳造を主たる業務とする「株式会社深澤活字」として開業。1986年,業務拡張のため社名を「株式会社フカサワ企画」に変更し,電算写植組版を主たる業務とする。その後,デザイン業務,DTP業務に移行し,2003年には,書籍・雑誌の企画立案・編集へと業務内容を拡充し,DTP部門を「有限会社エディポット」として分離,設立,現在に至る。さまざまな実用書分野の編集を手がけているが,1980年代から語学書編集の経験豊富なスタッフを擁し,語学書の編集,組版の両面でも多くの実績をあげている。