日常英会話ネイティブ表現[改訂版]
定価:本体 1,600円+税
(税込定価: 1,728円)
ISBN978-4-87615-334-3
判型:四六判
256ページ
CDブック(MP3CD)
初級~中級
2018年1月26日発売
3パターンで決める MP3CD付き
ネイティブ・スピーカーが毎日なにげなく使っている簡単フレーズを日本人学習者の視点で目的別・状況別に分類し、すべて3通りの言い方で紹介。それぞれの表現には記憶用ダイアローグが付属。英語初級者から表現の幅を広げたい上級者まで対応。

※改訂により付録がMP3CDに変わりました。

本教材の付録CD(MP3CD)は、パソコンでの利用を前提として制作されております。CDプレーヤーやカーオーディオなどでは内容を再生いただけない場合がございます。再生方法の詳細や制限につきましてはご利用の再生機器のマニュアルをご参照ください。

はじめに

 本書は,630 の英会話の定型表現を目的別,状況別にシンプルな対話例(adjacency pair)とともに紹介します。

 一般に英語学習者は,レベルアップして造文能力(linguistic creativity)が高まり,話す英語に自信が出てくると,単に通じる英語(communicativeEnglish)ではなく,自然な英語(natural English)を習得したいと思うようになります。英語の発話能力は,communicativity(伝達能力),fluency(流暢さ),accuracy(正確さ),naturalness(自然さ)を基準にして以下のように整理できます:

伝達能力流暢さ正確さ自然さ
超級(Superior)
上級(Advanced)×
中級(Intermediate)××
初級(Novice)×××

 初級者は,ブロークンではあっても何とか言いたいことが伝えられる(communicative)レベルにあります。しかし,たどたどしくて流暢(fluent)でなく,発音,語彙,文法が正確(accurate)でなく,ネイティブスピーカーの耳には自然(natural)に聞こえません。中級の学習者は,自分の意思をある程度とぎれなくしゃべることができますが,正確さに欠け,自然さも感じられません。上級者は,話す内容もクリアで流暢で正確に話し,なんとか意思を伝えようとたくさんしゃべりますが,意味は通じてもネイティブならそうは言わない,不自然な英語を含んでいます。超級のレベルに達した学習者は,4 つのすべての基準を満たします。それぞれの発話の特徴から,初級者を“word person”,中級者を“phrase person”,上級者を“sentence person”,超級者を“paragraph person”と呼ぶこともあります。

 自分の英語力に自然さを加味したレベルまで,すなわち教養ある英語のネイティブスピーカーの英語に近づきたいというのはごく自然な願望ではないでしょうか。外国滞在経験のない英語学習者の中にも話す英語はネイティブスピーカーに近い“near-native”のレベルに達する人もいます。その可能性があるのは,常に高い目標を掲げ,「ネイティブスピーカーならどう言うか」という意識を常に持っている学習者です。

 「定型表現」と聞くと初級の英語を連想するかもしれませんが,ハイレベルな学習者やそれを目指す学習者は,さまざまな定型表現を覚え,より頻度の高い自然な言い回しにこだわるものです。その意味において,本書は初級者から上級者に至るまで,あらゆるレベルの学習者に対応できる教材であると考えております。

 拙著のネイティブシリーズは,英語の造文能力がある一定のレベル(英検2 級以上)に達した英語学習者に,より自然な英語をタイミングよく用いて,英会話力に「自然さ」という要素を加えることを狙いとしています。本書も,読んで[聞いて]理解するだけでなく,積極的に覚えて,タイミングよく使うようにしてください。

 本書は,原稿の段階で米国ミューレンバーグ大学留学中の伊藤沙織さんの協力を得て,複数の英語ネイティブスピーカーにインフォーマントとして参加してもらい,選んだ定型表現と対話文について,頻度と自然さについて詳細なフィードバックを得ました。さらに,最終原稿の段階では,小樽商科大学言語センター教授で言語学博士のShawn Clankie 先生(米国ミズーリ州出身)に詳細なネイティブチェックとコメントをいただきました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。最後に,いつもながら本書の構成と使用データの選出について助言をいただいた(株)語研の奥村民夫氏に心よりお礼を申し上げます。

緑丘より春の日差し眩しい日本海を眺めて
国立大学法人小樽商科大学大学院ビジネススクール教授
小林敏彦
小林敏彦

1988年、小樽商科大学商学部経営法学コース卒(大谷良雄ゼミ:国際法専攻)、ハワイ大学マノア校(UHM)大学院英語教育研究科修了(MA in ESL)、ハワイ州会議通訳者免状(日英・英日/同時・逐次)4種全取得。ハワイ大学日本語講師を経て、現在、国立大学法人小樽商会大学大学院商学研究科アントレプレナーシップ専攻(専門職大学院ビジネススクール、OBS: Otaru Business School)教授。3M(Media / Movie / Music)を活用した「わかりやすく(Clear)、おもしろく(Interesting)、ためになる(Practical)授業」を心がけている。

主要著書に、『ニュース英語パワーボキャビル4000語』『ニュース英語究極単語10000』『3文型で広がる 日常英会話ネイティブの公式』『ネイティブがよく使う英会話表現ランキング』(以上、語研刊)、『外国人の先生と話そう』(大修館書店刊)、『日本人から見たアメリカ人の不思議な行動パターン』『アメリカ人から見た日本人の不思議な行動パターン』(以上、三修社刊)、『英語リスニング教材開発の理論と実践』『すべての英語教師・学習者に知ってもらいたい口語英文法の実態』『商大生のためのビジネス英語101』(小樽商科大学出版会)、主要論文に、 “Native and Non-native Reactions to ESL Compositions”(TESOL Quaterly, vol.26, No.1, Spring 1992)および “The Benefits of the CEG Typology Framework for Learners, Teachers, Researchers, and Textbook Writers”(2014年3月 映画英語教育研究第19号、第4回ATEM優秀論文賞受賞)など100点を超える。

趣味:教材開発、筋トレ、ウォーキング、名刹探訪、洋画・海外TVドラマ鑑賞。尊敬する人:真言密教開祖弘法大師空海