はじめに
『新TOEIC TEST入門講座』という本書を手に取られた方は、初めてTOEICテストを受験しようとしている方か、既に受験して結果が300~400点前後の方だと思います。そして多分、英語に苦手意識があるか、英語が嫌いだという方が多いと思います。
でも、もう心配はいりません。
この本を選択されたあなたは、間違いなく英語好きになります。そして毎日の英語学習が楽しくなります。本書では、ほかのTOEIC問題集とまったく違った、次のような学習法を取ります。
①あなたに語りかけるようにお教えます。
付属のCDとWeb音声講義を「聞く勉」するだけで、400点以上600点程度まで伸びることを保証します。(ただし、「聞く勉」をしなければ、保証しませんよ!)
②模擬テストを「ヒントつき! 模擬問題」と「通常テスト」の2種類用意しています。
これは私が多くの大学で開講したTOEIC集中講座で試してみて、大変好評かつ効果を上げている方法です。300~400点前後の実力の場合、2時間に及ぶテストでは、パート1、2以外はほとんど勘で解いていることが多いのです。後半のリーティング・セクションに入ると、分からない問題ばかり出てきて集中できなくなり、すべて適当に解いて「もういいや、これで提出!」となってしまいます。これでは良い点が取れるはずもありません。
ところが「ヒントつき! 模擬問題」に取り組むと目のつけどころが分かるので、300~400点前後の受験者でも最後まで集中して問題を解くことができるのです。
もちろんヒントがついているのですから、真の実力点ではありません。でも、知らず知らずのうちに「この問題は、ここがポイント」という見方をできるようになることに大きな意味があるのです。
「学ぶ」という言葉は「まねぶ」という言葉が由来です。スポーツや遊びではだれでも「まねる」ことが上達の近道だと知っているのに、どうして英語学習に生かさないのでしょう? 特に言語学習の場合は、「赤ちゃんとお母さん」の例を挙げるまでもなく、「まねる」ことこそ、上達の秘訣なのです。
つまり本書でいえば、「ヒントつき! 模擬問題」に取り組んだあと、CDを聞いて「聞く勉」し、マーカーや赤ペン書き込み学習を行ってから、まねて「白紙の別冊テスト」をやってみるのです。「ヒントつき! 模擬問題」で1、2回すでに解いた問題ですから、ほとんど答えられるでしょう。
このとき大切なのは「なぜ、この答えになるのか」「ほかの選択肢はなぜバツなのか」を自問することです。特にリーディング・セクションの対策勉強で重要なのは、すべての英文を頭からサッと読んでゆき、分からない語彙には必ず「マーカーのみ」つけることです(白紙の別冊模擬問題には日本語は一切書き込んではいけませんよ!)。
マーカーをつけてから私の音声講義(CDとWeb)を聞くと、自分が分からなくてマーカーを施した部分で、必ず「あぁ、そうか!」と脳が反応するようになります。理解をともなった記憶なので、しっかり脳に定着し、速読力、語彙力も苦痛なく養えます。
私の教え子たちはこうやって400点を超え、600点、800点獲得に向けて楽しく学習を続けています。次はあなたの番です!私を信じて「聞く勉」を始めてください。
③本書の英文は、頭から訳しています。
英語を英語のまま理解するのに、日本語らしい和訳は必要ないのです。私たち日本人が英語を苦手として、ほとんど「聞けない・話せない・書けない」のは、英語教育が翻訳主義に終始してきたからだと私は考えています。英語学習で頭から読んで(あるいは聴いて)、分からなくなったところ、そこがあなたの現時点での弱点といえましょう。そこにマーカーをつけ、次回からそのマーカー部分がすっきり通過できるようにすれば、どんどん実力がついてくるのです。
とにかくまずはCDとWeb音声講義を聴いてください!これであなたは長いトンネルを抜けられます!