別売音声教材はダウンロード版(有料)のご利用が便利です。
はじめに
30年前、私が3歳のときブラジルへ移民して以来、後にした生まれ故郷に帰ったときのことです。親戚たちに囲まれてポルトガル語を話しましたが、当時の日本の田舎の人にはすべて横文字は英語であって、ポルトガル語の意味をわかってもらえることはできませんでした。
しかし、日本に入った最初の西洋のことばはポルトガル語です。ポルトガル語とともに西洋の文化が日本にも上陸しました。私たちは日常の生活の中で、無意識にいろいろなポルトガル語からきたことばを使っています。たとえば、パン、ボタン、天ぷら、カルタ、シャボンなどです。また、「ピンからキリまで」の表現もポルトガル語のpinta(はじめ)、cruz(第10番目)から来たという説もあります。(小学館『国語大辞典』)
また、その反対に日本語からポルトガル語になったことばもたくさんあります。wassabi(わさび)、gobo(ごぼう)、shoyu(醤油)など、食物に関してのたくさんのことばが、ブラジルではそのまま使われています。特に最近ではdekassegui、issei、nissei……などと、増えています。ポルトガル語を聞く機会も、最近では多くなりました。
最後にポルトガル語を勉強する理由を述べたいと思います。
1.ポルトガルの文化を知るために。文化はその国民の心であり、ポルトガル、ブラジルと友好を結ぶには必然です。
2.両国に対する尊敬と感謝の意を示すために。
3.日本は知能の糧。活かすも殺すもあなた次第です。どうかこの本をご活用してください。
構成と使い方
特徴どのページも、開いたところがひとまとまりの単位です。好きなところから単語を覚えていくもよし、また、初めてポルトガル語にふれる方は、順に2ページずつ覚えていくとステップをふんだ学習ができます。
本文第1章で、ポルトガル語の発音と文法を、実際に使う単語で覚えます。第2章が、会話に使う単語です。すべて耳で聴き、口で話すことばで、使用される場面および意味としての覚えやすさを考慮して分類しています。
使い方左のページにあげた単語や解説を,右ページで練習しながら暗記します。各項にチェック用の□がついています。書きこみながら練習して覚えます。
本書でポルトガル語を学ぶには学習には、ブラジル育ちのアナウンサー、マリウダ・ナカネさんの吹込みによる別売CDを活用されるといっそう効果的です。
まずポルトガル語が,続いて日本語が読みあげられます。本書の全単語が収録されています。本書にあげた全単語を収録しておりますので、学習にぜひお役立てください。
また,別売CD収録の音声はすべて,インターネットからのダウンロード販売も行っております。詳しくは,弊社のホームページにアクセスしてください。
CD収録時間
Disc1:72分06秒/Disc2:69分06秒
1921年生まれ。3歳のとき,ブラジルへ渡る。
1952年,ローマのグレゴリアン大学を卒業。
1953年から1960年までサンパウロの聖フランシスコ学園で教育にあたる。
1961年に来日。1964年まで上智大学ポルトガル語学科に招聘され,1992年まで上智大学ポルトガル語学科講師をつとめる。