※ためし読みの色は実際の書籍とは異なります。
はじめに
中学校で学ぶ英文法といえば,時制(現在形,過去形,未来形,現在完了形など),助動詞(will,can,mustなど),不定詞(to +動詞の原形),比較,関係代名詞などが思い浮かびます。2021年度より,以前は高校英語の学習項目だった現在完了進行形,仮定法,原形不定詞なども中学3年の教科書で扱われるようになりました。現行の『中学校学習指導要領』では目標として,
- (1)初歩的な英語を聞いて話し手の意向などを理解できるようにする。
- (2)初歩的な英語を用いて自分の考えなどを話すことができるようにする。
- (3)英語を読むことに慣れ親しみ,初歩的な英語を読んで書き手の意向などを理解できるようにする。
- (4)英語で書くことに慣れ親しみ,初歩的な英語を用いて自分の考えなどを書くことができるようにする。
の4つを掲げています。これらの目標を達成するのに必要な基本知識が,中学で学ぶ英文法です。「初歩的な英語」とありますが,これは「日常生活を送るうえで最低限必要な」と言いかえることができるでしょう。
大人が英語の勉強をやり直すうえで大切なのは,英語のニュースやエッセイといった難しい題材を理解できるようにすることではありません。まずは,日常生活の中で最低限必要な文法知識,すなわち中学で学習する英文法を万全にすることが重要です。勉強のやり直しにあたっては,一度は学習したことのある事柄なので,「解説を読む」→「問題を解く」という順序で進めていくより,「問題を解く」→「解けなかった問題の解説を読んで文法力をブラッシュアップする」という順序で進める「弱点発見型」の学習が効率的です。本書『再挑戦! 大人のおさらい中学英語ドリル』は,この「弱点発見型」のスタイルを採用しています。見開き2ページの問題をまず解いたら,次の見開きで答え合わせをし,解説,そして文法項目全体を復習する「文法のまとめ」を読みましょう。問題文のほとんどは日本語訳を伴うスタイルにしてあるので,英語だけを見て問題を解くよりストレスなく進めることができます。扱っている問題は中学校の定期テストレベルの基本的な問題が中心ですが,問題のレベルが高すぎると思ったら,先に「文法のまとめ」のページを読んでから問題を解く進め方でもよいでしょう。
本書を活用して英会話やリーディング,ライティングの基本中の基本の知識となる中学の英文法を復習し,楽しく無理なく英語力の底上げをしていただければ幸いです。