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はじめに
本書はドイツ語をこれから学ぶ方,ドイツ語を学び始めたばかりの方のために編まれた単語集です。基本的な単語504 語を選び,そのひとつひとつに例文をつけました。現在,ドイツ語はEU 域内で最も母語話者の多い言語であり,インターネットのウェブサイト上では英語に次いで用いられている言語とされています。また,数多くの優れた文学や思想を生み出してきた言葉でもあり,音楽,美術,学問,スポーツなどさまざまな分野の土台にある言葉でもあるのです。ドイツ語はたいへん規則正しい文法を持ち,英語と比べると語形変化の多い言葉ですが,ドイツ語の理解を深めていくと,こうした規則もきわめて合理的にできていることがわかります。ドイツ語に触れていると,ときに木材の正確な継手に見るような巧みさを感じることがありますが,単語ひとつひとつがそのようなドイツ語世界を組み立てているといえるでしょう。ドイツ語の入り口にいる皆さん,まずは本書におさめられている基本的な単語を身につけるところから学習をスタートしてみてはいかがでしょうか。ドイツ語は語形変化の多い言葉でもあると書きました。動詞の人称変化語尾や形容詞の格変化語尾を持った単語,名詞の複数形など,例文には見出し語と異なる単語がたびたび現れます。本書には6 つの文法コラムを設けています。単語の知識だけでは足りないと感じたときは,こちらのコラムを参考にしてください。また,名詞に男性,女性,中性の3 つの性があるのもドイツ語の特徴です。名詞を覚えるときにはイメージを膨らませて名詞の性をいっしょに覚えていくのも楽しいものです。そうすればドイツ語を使いこなしていく力も自ずと身につくことでしょう。言葉を学ぶのに王道はあるのでしょうか。一歩ずつこつこつと歩みを進めていく以外に私にはその道が見つかりません。あるいは,言葉を学ぶことは毎日植物に水遣りをするようなことかもしれません。芽が小さなうちはちょっと水遣りを忘れてしまうと枯れてしまうこともありますね。まずは1 か月,この単語集を片手に毎日ドイツ語を学んでみましょう。そしてこれを足がかりにぜひドイツ語の世界を大きく育んでください。本書が皆さんのドイツ語学習の助けとなりますよう。
首都大学東京,大妻女子大学,フェリス女学院大学 非常勤講師。朝日カルチャーセンター横浜他,一般向けの講座でもドイツ語を担当。