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はじめに
マレーシア語はインドネシア、シンガポール、ブルネイの国語と共にアウストロネシア語族インドネシア語派のマレー語に属する言語です。1963年のマレーシア連邦憲法第152条でマレー語が正式に国語として採択されました。マレーシア語という名称は、1969年の「5月13日事件」以降、マレー人の使う言語というイメージが伴う「マレー語」に替えて使われだした名称です。近年マレーシア政府はマレーシア語の標準化政策を推し進めていますが、その中でマレー語という名称が復活してきています。これは、マレーシア語の標準化政策が着実にその成果を収めつつあるマレー人の自信の現れとも考えられますが、この傾向に外側から弾みをつけているのが近隣のマレー語を国語としている国々の間で起こりつつある、「マレー語をASEANの共通言語に」しようという動きです。筆者が滞在中に行われたマレー語学の国際セミナーもこのような動きの具体的な現れの一つと考えられます。この会議は「マレー語をASEANの共通言語に」という主催者側が掲げる貴重テーマの下に各国の参加者が研究発表や自国のマレー語研究の現状についての報告を行い、活発な議論が交わされました。このような「ASEANの共通言語としてのマレー語」という新しい理念による裏打ちという外側からのインパクトを受けて、マレー語はその標準化にいっそうの弾みがかかるものと思われます。本書では、このようなマレーシア国内の動きを反映させるために、標準マレー語の発音についても触れることにしました。
構成と使い方
特徴どのページも、開いたところがひとまとまりの単位です。好きなところから単語を覚えていくもよし、また、初めてマレーシア語にふれる方は、順に2ページずつ覚えていくとステップをふんだ学習ができます。
本文第1章はマレーシア語の発音と文法を、実際に使う単語で覚えます。基礎的な構文について特に解説しました。第2章が会話に使う単語です。すべて耳で聴き、口で話すことばで、使用される場面および意味としての覚えやすさを考慮して分類しています。
使い方左のページにあげた単語や解説を、右ページで練習しながら暗記します。各項にチェック用の□がついています。書きこみながら練習して覚えます。
マレーシア語には日本語にない発音や、アクセントやイントネーションの違いがあります。
本書でマレーシア語を学ぶには、マレーシアで育ったジャマリア・ジャハルさんの吹込みによる別売CDを活用されるといっそう効果的です。
まずマレーシア語が、続いて日本語が読みあげられます。
本書にあげた全単語を収録されています。
また、別売CD収録の音声はすべて、インターネットからのダウンロード販売も行っております。詳しくは、弊社のホームページにアクセスしてください。
CD収録時間
Disc1:57分52秒/Disc2:56分42秒
東京外国語大学大学院(修士課程)アジア第三言語研究科卒業。東京都立両国高等学校教諭,東亜大学講師,国立国語研究所日本語教育センター第三研究室室長を経て,現在東京外国語大学教授。