・この一冊で,入門から初級修了レベルまでの習得事項をカバーしています。
・本書の付属音声は無料でダウンロードできます。
【本書の7大特長】...................................................................................................
1.イタリア語の初級文法のエッセンスを無理なく効率的に学べるように構成しました。
2.各章で取り上げた文法事項は重要度や使う頻度によって4段階に分けました。
[ステップ1]→「まずはコレ!」...もっとも基本的な事項ですので,必ずマスターしてください。
[ステップ2]→「次にコレ!」...とても大切な事項ですので,確実にマスターしてください。
[ステップ3]→「さらにコレ!」...ここまでは必要だと思うので,なるべくマスターするようにしましょう。
[ステップ4]→「余裕があれば!」...できればマスターしておくといいでしょう。
3.旅行や日常生活で実際に使いそうな例文を数多く収録しました。
4.会話の基本となる短文を素早く正確に言い表せるようになれる工夫をしました。
→会話でも読解でも,基本となるのは作文力です。「声に出して言ってみよう」では,簡単な文章をできるだけスムーズにイタリア語に変換できる能力を身につけます。
5.聴き取りの能力を身につけるため,各章に音声を使った練習問題を設けました。
→「音声を聴いて答えよう! 」では,イタリア語の発音に慣れるための練習問題を行います。
6.単語をカタカナで表記せずに音声を用いて正確な発音を身につけるようにしました。
7.動詞の活用を簡単に覚えられる表を巻末に付けました。
音声ダウンロード・すぐ聴く音声 FAQ
※ためし読みの色は実際の書籍とは異なります。
はじめに
多くの人にとってイタリア語はビジネスで必要というよりも,趣味が高じて学ぼうとする言語ではないでしょうか。イタリアは多方面の「楽しみ」を内包している国ですから,そのぶん学習目的も多様化します。ある人にとっては旅行に行った際に料理のメニューがわかったり,買い物ができるようになるために,またある人にとってはオペラを歌ったり,美術館のカタログを理解できるようになるためだったりするのでしょう。あるいは,サッカーやF 1 観戦に必要だという方もいらっしゃるかもしれません。そうなると,話す力,聴き取る力,読む力,書く力のうち,どこを重点的に勉強したいのかも人によって違ってきます。しかしながら,そのすべてのベースとなる文法の学習は,共通しておさえておくべき事柄と言えるでしょう。単なる旅行会話の丸暗記や表面的な学習はその場しのぎのもので,せっかく覚えた単語や文章もすぐに忘れてしまい,次のステップへとつながっていかないからです。
本書は,どのような学習目的を持っている方でも,マスターしておいたほうがよい基礎文法を,できるだけ楽しく,短期間で効率的に学習できるような目的で書かれました。全部で30 課からなるので,頑張って1 日1 課ずつ学習していけば1 か月で,1 週間に1 課であれば8 か月ほどで終了します。
もちろん,それですぐにイタリア語をペラペラに話せたり,スラスラ読めたりするようになるわけではありません。外国語学習がそれほど甘くはないことは,皆さんもすでに英語学習で嫌というほど思い知らされているのではないでしょうか。本書に書かれていることは,数学に例えると「公式集」のようなものです。数学で多くの問題を繰り返し解いていかなければ真の実力がつかないのと同じように,このテキストで身につけたことを「実践」していく必要があります。皆さんが本書を「卒業」したら,次はそれぞれの「楽しみ」に応じて,素敵な一歩を踏み出していただければいいのではないでしょうか。イタリア人の友人や恋人をつくる,映画やオペラを字幕なしで見てみる,イタリア語で日記をつけてみる,料理のレシピや小説を読んでみる,といった具合に。
語学学習は決して苦行ではありません。学習者本人が「楽しむ」ことが最大の効果を上げることを常に忘れないでください。
多摩美術大学教授。東京藝術大学美術学部芸術学科を卒業後,イタリア政府給費留学生としてフィレンツェ大学へ留学。帰国後,東京藝術大学大学院博士後期課程を満期退学。大学以外でも日伊協会,朝日カルチャーセンター,NHK文化センターなどで西洋美術史とイタリア語の講座を担当。また2001年から2006年にかけて,NHKラジオ「イタリア語講座入門編」「イタリア語講座応用編」の講師も務める。
主要著書・論文に,『初めて学ぶイタリア語』『イタリア語会話「決まり文句」600』(以上,語研),『イタリア・ルネサンス美術館』(東京堂出版),『図説 イタリア・ルネサンス美術史』(河出書房新社),『システィーナ礼拝堂を読む』(共著,河出書房新社),『彫刻の解剖学』『祭壇画の解体学』(以上,共著,ありな書房),『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界』(共著,東京堂出版),“Per una rilettura dei mosaici della Scarsella del Battistero fiorentino : Lo stato di conservazione”, (Arte Medievale, 1992, Roma),『KATSUHIKO HIBINO』(小学館)など,訳書に『レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯 飛翔する精神の軌跡』(共訳,白水社),『マザッチョ』(東京書籍)などがある。