はじめに
分野を問わず読みこなせる高度な英語の語彙力がほしい。しかし、どのような語彙をどれくらい覚えれば「過不足なく」読めるのでしょうか?「試験用」とか「ビジネス用」とか、そんな目先の目的ではなく、もっと網羅的な語彙集はないのでしょうか?ただし、分厚くて、いつ使うかわからない高度な専門語ばかり延々と続いているのもイヤ。
こんな悩みをズバリ解決する画期的な「道具」が本書です。弱点分野をすべて補強し、これ一冊で各分野の語彙をネイティブに迫るくらいまで一気に押し上げます。こんなことを言えるのは徹底的な市場調査を行ったからです。まず分野・項目設定では、英米の大学のコースや百科事典、各種メディアを調べ、日常の情報収集で必要と考えられる項目はすべて含めました。
収録語彙に関しても万全を期しました。基本方針は次のとおりです。
- 教養ある英米人なら知っていると思われる語彙はできるだけ収録する。
- 高度に専門的で、その分野に従事する人しか使わないような語彙は除く。
- 分野分けしにくい一般動詞、形容詞などは基本的には収録しない。
この3点を徹底するため、執筆に要した1年間は他の仕事をすべて休業して、この企画に全精力を注ぎました。長年書きためたノートの中から頻度が高い語彙をベースに、百科事典、教科書、雑誌、ネット記事、各種ハウツー本などから幅広く語彙を収録し、不要語はカットしました。アドバイザーのDr. Ursula Potterにもリストをチェックしてもらい、さらには延べ300万語を超える(株)語研のコンピュータ・コーパスからも追加した厳選の6000語(派生語は含まず)です。
「覚えやすさ」にも最善を尽くすため、同意語・反意語などは関連させるなど見出しの順序にも工夫し、上級単語集では異例と思える重要度や発音記号、イラストも入れました。その結果、これ一冊覚えれば、例えば今まではインターネットで情報を検索する際にキーワードとして日本語しか思い浮かばなかったものが、今度は英語で検索し、第一次情報を豊富に含んだ英語サイトをなんなんく読めるようになるはずです。これで苦手分野も克服でき、「読める」という自信が「見る前からすでに」持てるようになります。ぜひ毎日持ち歩いて、不得意分野から覚えてください。何が自分の不得意分野かわからないなら、見知らぬ語彙が多い分野から読み始めましょう。
最後に、コーパスの提供と参考書籍の紹介、ならびに多くの語彙の追加にご尽力いただいた(株)語研の奥村民夫氏とDr. Ursula Potterにこの場を借りてお礼申し上げます。