英語はもっとイディオムで話そう
英語はもっとイディオムで話そうISBN9784876153183
定価:本体 1,800円+税
(税込定価: 1,980円)
ISBN978-4-87615-318-3
判型:四六判
360ページ
テキスト
2016年10月5日:発売
※本教材の感想を読者カードやレビューサイトにお寄せください。
英語はもっとイディオムで話そうページサンプル1
英語はもっとイディオムで話そうページサンプル2
英語はもっとイディオムで話そうページサンプル3
英語はもっとイディオムで話そうページサンプル4
英語はもっとイディオムで話そうページサンプル5
600万語データベースから学べる600表現
600万語コーパスでの使用頻度調査に基づく最頻出イディオム290強と,それを補う実用イディオム約370を収録しました。約340語の基本語彙ごとにまとめて覚える【キーワード配列】を採用。すべてに例文と強勢記号を示したので,そのまま英語のアウトプットに使えます。キーワードを組み合わせて使われる副詞,前置詞の意味,ニュアンスの違いもわかりやすく解説。イディオムの知識をスキル化するために最適の表現集です。
電子書籍あり
PDF版電子書籍 →購入する

※ためし読みの色は実際の書籍とは異なります。

はじめに

「英語を使えるようになりたい」「英語で話せるようになりたい」という方の多くは単語レベルの語彙学習に加えて、 make a decision (決定を下す)など、複数の語を慣用的に組み合わせたチャンク( chunk )を学んでいるはずです。それが、いわば英語習得をめざす正道です。一方で、効率を重視して、限りある学習時間で最大の学習効果を得たいのであれば、もうひとつ目を向けるべき分野があります。それが、本書が取り上げている「イディオム」です。「イディオム」と言うと、 spill the beans (秘密を漏らす)のように、個々の単語の意味とは大きく異なる意味を持つ熟語が思い浮かびます。本書ではそれに加えて、いつも同じ組み合わせで使われて特定の意味を表す定形語句を総称して「イディオム」と呼ぶことにします。本書の姉妹編『英語はもっと句動詞で話そう』で扱った句動詞も含めます。

おもしろいもので、会話の記録を分析すると、 and things like that (~など、~のようなもの)といったあいまいな慣用表現が、具体的な意味を表す名詞の代わりによく使われます。実証研究からは会話の半分くらいをこの種の定型的組み合わせ、ないしイディオムが占めていることがわかっています。日本語の会話でも、話を合わせたり、調子を整えるために「そりゃそうだし…」などのあいまいな表現をよく使うのと同じです。こうした実証データから、どのような組み合わせの語句が頻繁に使われるのかもわかります。

そこで本書では、一般人、専門職(弁護士、大学教員など)の人々の会話やメディア報道で頻出する「イディオム」を抽出した研究(5ページ参照)に基づき、およそ300の頻出イディオムに焦点を絞って、その意味と例文、解説をまとめました。さらに、学習英英辞典が好んで取り上げるイディオム300も加えて紹介しました。コミュニケーションのために学ぶべき「イディオム」はこれでひとまず十分なはずです。今後の英語習得に活用してください。

本書の母体となった Advanced Learner's Dictionary of Most Frequent "Chunks" in Spoken English を著作者本人の日本語よりも上手な日本語で訳してくださったラッシャー貴子さんに、この場を借りて心よりお礼申し上げます。

2016年9月
日向清人
本書の特長

1.イディオム,句動詞,そしてチャンクを学ぶ

 多くの英語学習者は「イディオム」と聞くと,and so on and so forth(~など)や under way(進行中で)のように,語句全体の意味が各語の意味の総和と異なる「熟語」を思い浮かべるでしょう。しかし,英語のいわゆるidiomatic expressions には,熟語以外にも句動詞(break off,make out など)や,キーワードを核とする定型語句(as well,in terms of ...,for that reason など)も含まれます。これらの複数の語句を組み合わせた慣用表現を総称して「チャンク」(chunk)と呼びます。つまり,「(ひとかたまりの)定型表現」です。 各種調査によれば,これらの「チャンク」は話す英語の 20-50 パーセントを占め,高頻度で使われます。これらの高頻度のチャンクを覚え込んで使えるようになることで,話す英語の理解力(リスニング),流ちょうさ(スピーキング)は大きく向上します。

2.600 万語データベース最頻出の約 290 表現を明示している

 語彙の学習と同じで,イディオム,句動詞,チャンクの数は限りなく,それをすべて学ぼうとしても不可能ですし,意味のないことです。コミュニケーションのために学ぶという目的であれば,ネイティブスピーカーが日常的によく使う表現だけに絞り込んで学習すれば十分です。 本書では,公表されている統計データに基づいて,学習すべきイディオム,句動詞,チャンクを絞り込みました。根拠としたデータは,一般人,専門職(弁護士,大学教師など)の人々の会話やメディア報道で頻出するイディオムを 600万語データベースから選び出した“The Most Frequently Used SpokenAmerican English Idioms: A Corpus Analysis and Its Implications”(DilinLiu, 2003)です。この調査で明らかにされている最頻出イディオム約 290 はすべて 300 で示してありますので,最優先で学んでください。

3.意味がわかれば十分で,使う必要のないイディオムもある

 イディオム,句動詞,チャンクの多くはカジュアル,インフォーマルな響きを持ちます。表現の背後に英語圏特有の文化や価値観が反映しているものもあります。そのため,ノンネイティブスピーカーが使うと不自然に響いたり,誤解を生むこともあります。いくら日本語が達者な外国人でも,四字熟語を次々繰り出すようでは,聞いているほうもうんざりしますし,背伸びしているような滑稽な印象すら与えかねません。そこで,ノンネイティブスピーカーとしてはあえて使う必要はなく,見聞きしたときに意味がわかればよい程度のものは で示してあります。Receptive Only という意味です。

4.副詞,前置詞のニュアンスを詳しく解説している

 イディオムや句動詞の中で動詞と組み合わせて使われる副詞,前置詞のニュアンスを説明しました。イディオムや句動詞では,その意味の力点が動詞よりも副詞,前置詞のほうに置かれているものが少なくありません。副詞,前置詞に注意を払い,例えば drop off での副詞 off の解説を読んだら,同じような off が使われている例を探すという学習を繰り返すことをお勧めします。これにより,メタファー(比喩)でのつながりがわかり,英語のセンスが飛躍的に向上するはずです。

5.配列と強勢表示

 本書全体の配列は,まずイディオム,句動詞,チャンクのキーワード(動詞,名詞など)を第 1 見出しとして示し,その下にそのキーワードを含む表現を第 2 見出しとして配列しました。第 2 見出しの各表現には強勢記号を付けて,強く発音すべき語を示しています。 が主強勢(もっとも強く発音する), が副強勢(やや強く発音する)を示します。

日向清人

 慶應義塾大学大学院修了。12 歳まで海外在住。慶應義塾大学講師。元ケンブリッジ大学英語検定面接委員。
 著書に『英語はもっと句動詞で話そう』(語研刊),『即戦力がつく英文ライティング』『即戦力がつくビジネス英会話』(いずれもDHC 刊),『ディクテーションで覚えるビジネス英語必須パターン123』(秀和システム刊),『クイズでマスターするGSL 基本単語2000』(テイエス企画刊)など,著作多数。
Twitter アカウント hinatakiyoto

日向清人先生の本

定番

TOEFL ITP® TESTリスニング完全攻略表紙画像
使える・話せる・スペイン語単語表紙画像
全問正解するTOEFL ITP® TEST文法問題580問表紙画像
韓国語基本単語2000表紙画像
語研の公式ストアへのリンク