はじめに
言いたいことばが英語にならず、じれったい思いをされたことはありませんか。何を隠そう、私自身もこれまでにそうした思いを数多く体験してきた一人です。そんなときに、私はしかたなく、なるべく意味の近いことばを必死に探して間に合わせようとしたものです。でもしょせん、それは自分が本当に言いたかったことではありませんので、たとえ通じてもうれしくなく、また相手に問い返されたりすると、よけいパニック状態となり、「勘弁してくれ!」と思わず心の中で叫んでしまったほどです。今考えてみますと、原因は、それまで覚え込んでいたはずのソフトウェアである英語が、私というハードウェアの頭脳の中に、実はきちんとインストールされていなかったためでした。
では、あなたというハードウェアが本当に求めている英語ソフトとは、いったい何でしょうか。ずばり、それは「その時その折に、あなたが思い、感じた内容をそのままアウトプットできる」ソフトです。同時にそれは、あくまでも日本人が使うものである以上、日本語の発想を出発点とした、いわゆるオーダーメード品でなければなりません。そこではじめて、ハードとソフトが完全に噛み合い、あなたの頭が活性化され、望みの英語が口をついて出てきてくれるのです。
本書は、まさにこの考えに基づいて進められている(株)語研の語学書シリーズの中の英語編として制作されました。どうぞ、存分にご活用いただきますように。
❖本書の構成と使い方
本書は以下の2部構成になっています。
【第1章 日本語から引く英語】
この章では,日本語を手がかりに目的の英語を探します。左ページでは英語,右ページではその英語を使った例文が紹介されています。例文は日常会話でよく使われる表現,作文に応用できる表現を中心に紹介しました。
【第2章 こんな一言,あんな一言】
この章では,見出し語からは引きにくい,つぶやきにも似た表現を集めました。英語で言ってみたいけれど言い方がよくわからない,日常生活のあちこちでちょっと使ってみたくなるミニ表現集です。
1936年静岡県生まれ。明治大学卒業。広告界に入り,コピーライターを7年間勤めた後,マーケティング業界に長く籍を置きながら,外資系企業などで実戦英語の研鑽を重ねたのち,英会話教材の編集・出版を手掛ける。英語関係の著書・翻訳も多く,過去ベストセラーとなった作品もある。(株)語研関係では『英語基本単語2000』,『英語基本単語プラス2000』がある。
現在横浜市に在住。趣味は,旅行・サイクリング。