はじめに
TOEICやTOEFLのスコアアップ、キャリアアップといった目的のために英語を学習していても、「あともうちょっとなのに!」というところで頭打ちになってしまう人は少なくありません。私がイギリスに留学していたころ、同じ学部に数名の留学生仲間がいましたが、論文を書く際や授業の際に「こう言いたいのに細かなニュアンスが表現できない!」というジレンマにずいぶん悩まされていたものです。すばらしく流暢で正確な英語を話す彼らの問題は明らかに文法能力の欠如ではなく、語彙不足でした。ネイティブ・レベルの議論や論文作成が難しい!文法は十分に理解できているのに、ネイティブ・レベルにはどうしても到達できない!そういったジレンマに悩む人に、本著は最適の語彙力強化書です。原著は、アメリカの標準テスト開発実施機関Educational Testing Service(ETS)が行う各種英語テストを受験する人々のための英語語彙学習書として定評のあるBasic Word List(Barron's EducationalSeries, Inc.)です。対象とする標準化テストはTOEFL、GMAT、GRE、SATなどですが、日本で英語標準テストとして確固たる地位を築いているTOEICもETSの開発によるものですから、対象に含まれます。
一度目を通しただけでは「難し~い!こんな単語を覚えるなんて無理、無理!」と思ってしまうほど難易度の高い語が続々登場しますが、好きな飲み物でも用意して、リラックスして学習を進めましょう。一回読破したくらいですべての語彙が習得できるような本ではありませんが、本書を手に取り、やる気にみなぎる皆さんであれば、何度も読んでいくうちにかなりの語彙力がつくこと請け合いです。新たに学習した語彙を使って自分なりに英語の文章を作成してみる、といった独自の練習を加えながら、語彙力アップと知識の定着をめざしてください。
最後になりましたが、前著『日常英会話表現4000』(語研刊)に引き続き、本著の翻訳に際しても根気強く、最後までサポートしてくださいました編集長、奥村民夫様に心よりお礼申し上げます。